カップのデザインとしては、あまりおもしろいものではない。銘柄名が正面にあしらわれ、書体が太くないものだから、背景色なしにプリントされているので、すこし読みづらい。
しかし、このカップ酒のデザインのおもしろさは、実は正面ではなく、横にある。一部のかっぷざけに見られる特徴だけど、側面に目盛りがプリントされているものがある。この「舞姫」もそのひとつ。目盛りには数字がついていることと、そうでないことがあるが、その数値や目盛りでおよその飲酒量を知ることができる。あるいは、飲みおわった後に計量カップとして再利用できたり。しかし、この「舞姫」の目盛りにプリントされているのは、数字ではなく、イラスト。いちばん上の目盛りは音符、次はくちびる(あるいは、口)、最後は虎。つまり、飲み進むにしたがって、陽気になって歌いだし、最後には虎になってしまう......というユーモア。なかなかおもしろい。でも、2 番めのくちびるの意味するところがよくわからない。酔っておしゃべりになってしまうということなのか、キス魔になってしまうということなのか......。いずれにしても、非常に特徴的でユーモラス。
県外では「翠露」で有名な蔵。この「舞姫」は、それよりもリーズナブルな価格帯の普段遣いの酒。ひさしぶりに飲んでみたが、なかなかいい。すこしアルコールがきつい気もするけど、飲みやすい。キレがあるけど、味もある。調和のとれた感じ。
舞姫酒造は、諏訪市の中心部、諏訪駅の近くにある。メインストリートの国道 20 号線に面した場所にあるが、この国道 20 号線は、酒屋通りでもある。「真澄」で有名な宮坂醸造をはじめ、麗人酒造(麗人)、舞姫酒造、伊東酒造(横笛)、本金醸造(本金)がずらっと勢揃い。近代では、製糸業で栄えた諏訪が古くからの街だったことの証のようにも思える。
舞姫酒造は、国道沿いに直販店を出しているが、代々の当主が文庫蔵として使っていた蔵をベースにした「和」な雰囲気のいい店。この店でしか買えない限定ものの酒なども販売している。杜氏は、地元の諏訪杜氏。「和醸良酒」をモットーに、甘・酸・渋・辛・苦の 五味の調和がとれた旨口の酒造りをおこなっている。
カップお気に入り度:★
- 舞姫酒造有限会社
- 種別:普通酒
- 容量:180 ml
- 度数:14 - 15 度
- 日本酒度:+3.0
- 酸度:1.4
- アミノ酸度:1.3
- 原材料:米・米麹・醸造アルコール
- 使用米:ー
- 精米歩合:65 %
- 『The カップ酒 ベストセレクション 900』掲載
- 『カップ地酒と車窓旅』掲載
