- October 29, 2007 12:03 AM
- sake
『夏子の酒』に「松尾様」という言葉が何回も登場する。「夏子の恋人」とされているが、作中の登場人物ではなく、酒造りの神様。どんな神様なのかと調べてみると、京都は嵐山の松尾大社(Wikipedia)だとのこと。
主祭神は、大山咋神(おほやまくひのかみ)と中津島姫命(なかつしまひめのみこと)とのこと。大山咋神は山の神であり、中津島姫命が市杵嶋姫命(宗像三女神)だとすれば※水の神。あまり、酒とは縁がなさそう。
実は、酒と縁が深いのは、神様ではなく、この地に定住し、松尾の神を氏神とした渡来人の一族、秦氏だという。秦氏が日本にもたらした大陸産の技術には、陶工や機織のほかに、酒造も含まれていたと言う。そのあたりが、「松尾大社 = 酒造の神様」の構図の由縁か。
朝鮮半島の酒と言えば、眞露のような焼酎以外にマッコリもある。焼酎は蒸留酒だけど、マッコリは醸造酒。しかも、米の醸造酒。いわゆるどぶろく(活性にごり)の系統。Wikipedia の「マッコリ」の項には、日本酒との関連性はない……との記述もあるが、秦氏のもたらした酒造技術がひょっとしたら何らかの形で日本古来の酒造技術に影響を及ぼしたかもしれない。そう考えると、ちょっとした歴史ロマンだ。
写真は、高橋助作酒造店の「松尾・錦・純米」。やや辛口の軽い味の純米酒。赤・黄・黒・白のコンビネーションといい、赤枠にローマ字で「MATSUWO」なんて書いてあったりするあたり、泡盛の「瑞泉」赤ラベル(お気に入りデザイン)に似た印象がある。そのせいもあって、「松尾」は紙ラベルながら好きなデザイン。
※中津島姫命は、市杵嶋姫命(いちきしまひめのみこと)の別名との説がある。
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