ここしばらくはご無沙汰してしまっているけど、2000 年ごろは日本各地の廃墟をいろいろ歩き回っていた。廃業したホテルだったり、工場だったり、鉱山だったり。
鉱山には、その鉱夫たちの居住区画がある。その跡を散策していると、生活感を残すものたちに出会うことがしばしば。新聞や雑誌(当時の記事を読むのはおもしろい。江夏が現役投手だったりとかね)、食器に鍋などの調理器具。牛乳瓶や一升瓶なんていうガラス製のものもよく見かける。粉々に割れてしまっているものから、そのままの形を残しているものまでさまざま。共通しているのは、風雨にさらされて、転がったりしながら、磨りガラス状態になっているということ。雨に濡れることも多いので、紙のラベルは剥がれたり、風化したり。なので、一升瓶を見つけても、どんなお酒だったのかはさっぱりわからない。
昔のことだから、お酒の売り方は一升瓶が中心。だからカップ酒なんてほとんどお目にかかったことがないのだが、意外にも自分の写真コレクションにカップ酒を発見。この写真は、岩手の北西部、八幡平市の松尾鉱山跡で撮影したもの。紙ラベルのものではなく、プリントタイプのものであったからこそ、銘柄の推定が可能。『The カップ酒 ベストセレクション 900』によると、どうやらこれは岩手県久慈市の株式会社福来の福来のようだ。もしかしたら、閉山後に誰かが持ってきたものかもしれないけれど、当時の松尾鉱山の鉱夫たちが飲んでいたものかもしれないと思うと、ちょっと楽しい。
松尾鉱山は、当時東洋最大の硫黄鉱山。昭和 44 年に閉山。最盛期には、15000 人の人たちが、この鉱山の周囲に住んでいたという。鉱夫たちの住居の一部は、鉄筋コンクリート製でいまでもしっかりと八幡平の大地に立っている。
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