『自棄酒マン、ときどきカップ酒マニア』および『自棄じゃけん。』を運営するいいざわたつや氏の著書。
本書やサイトのテキストから判断すると相当数のカップ酒を飲んできていると思われるが、サイト自体にはそんなに大量のカップ酒の情報を掲載しているわけではなく(「厳選カップ酒ギャラリー」なるコーナーはある)、カタログ的要素が少なかったので、いつも後回し、後回しにしていたけれど、先日の岩手の仕入れ旅行を機に読んでみることにした。読んでみると、なかなかよい読み物。書き下ろしの本書は、カタログ的要素はやはりほとんどなく、書名にあるとおり「カップ酒を飲むスタイル」についての記事が中心。
メインとなっているのは、東海道五十三次の宿場町のひとつひとつで、毎回違う銘柄のカップ酒を買って飲む……という企画。カップ酒をいろんな酒屋で買ったことがあれば想像に難くないと思うのだが、これは意外に大変な企画。かつての宿場町は現在においても必ずしも都市部であるというわけではない。ということになれば、町にあるのは個人経営の小さな酒屋だけ……ということもよくある。となると、ようやくみつけた酒屋に入ってみても、ナショナルブランドのカップ酒しか置いていないということも十分ありえる。本書の中でもいろいろ苦労のあとが散見される。ナショナルブランドのカップ酒を飲んではいけないというルールはないのだけれど、そうした酒を買うのは予めカップ酒の入手が難しそうな地域まで我慢する……などなど。灘や広島といった酒どころを抱える山陽道にもチャレンジしてみてほしいものだ。
コラム的に挿入されている記事は、カップ酒を飲むのにふさわしいシチュエーション(屋外で飲む、列車内で飲む、温泉で飲む、スポーツ観戦しながら飲む……)とか、カップ酒自販機※やカップ酒のキャップへのこだわり……などなど。
※カップ酒の自販機って最近あまりみかけないなあ……と思っていたが、法改正により新規の自販機の設置は認められなくなったらしい。近々、年齢認証の自販機への移行もあるらしい。そんな風潮の中で自主撤去されたり、古くなって故障したまま店頭に放置されていたり(ガムテープでコインの挿入口が塞がれていたりするアレ)。そういう事情があるということも本書で知った。これまであまり自販機を顧みることはなかったけど、そうした背景を考えるとなかなかおもしろい注目に値するアイテムだな……と再評価。
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